2007'06.20.Wed
……剣を、握る。
瞳を、閉ざす。
ゆるやかな空気の流れに神経を集中させ、――無に、なる。
纏うは騎士の白装束。
だが掌るは日本刀。
あの時、もう二度と刀を振るうことはないと思った。
ブリタニアに組し、「日本」という名をすべて捨てて。
柄を握り、鞘から抜く。
きらりと光る片刃。
鋭い切っ先。
……血に飢えた、刃。
再び血を見るまで鞘におさまらぬ、己の刃がそこにある。
(ルルーシュ)
口にすることは、もうできない。
己の刃が求める血が何か、もう、自分は知っている。
引き返せない。もう戻らない。
最後に合わせた肌の熱さも、触れた唇のぬくもりも、交わした言葉も、激しく抱いた愛情でさえ。
今の自分を止める楔にはならない。
(……どうして)
どうしてゼロが、君だったのだろう。
どうして君が、その手を血に染めたりしたのだろう。
どうして嘘をつき続けていたのだろう。
笑顔で。
何も知らないと、何もしていないと、笑って、君は嘘をついた。
何度もランスロットと刃を交えておきながら。何度も生身で対峙したにもかかわらず。
(ああ、でも)
生きろ、と。
そう命じられたと知って、涙が出た。
何の感情も、もう見出せないのに、ただ、とめどなく溢れた。
枢木スザク、が。
必要だ、と。
手を差し伸べたのは君が最初だったのだ。
駒としてではなく、パーツとしてでもなく……ありのままの、自分を。
(ひどい、身勝手な)
すべてを知っていての、残酷な、傲慢な命令。
けれど、それが君だ。
あの時と同じ、たったひとつの事柄が、今スザクを縛り付けている。
ユーフェミアの死。
無慈悲な命令。
それがどんな状況下で為されたかなど、スザクは知らない。
だが、命を下したのはゼロだ。
他の誰でもない、ゼロ自身。そして彼女を手にかけたのも。
それだけが、真実だった。
そしてそれが、スザクの感情すべてを―――封殺していた。
*-*-*-*-*-*-*-*-*
すみません…何となく書きたくなったり。微妙にINTERVAL後のスザクみたいな…。INTERVALはルルーシュ視点だったので、スザク視点も書きたいなと思ってたんですが、スザクはすっごーく暗そうだなあ;;でも機会があったらそのうち(ごにょ)
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