咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。
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orverflow 2007.12.29 comingsoon
「久しぶり、……と言っていいのだろうな」 灰色の魔女は、こちらを見て薄く笑むとそう言った。 初めて出会った時と同じような、シンジュクゲットーの廃墟。 瓦礫の上に立つ姿はあの時のように拘束服ではなかったけれど、似たような白い服を纏っている。 「面白いことになっているじゃないか。いつからお前には弟ができたんだ?」 * 「ルルーシュ!」 背後から呼ばれ、ルルーシュは振り返る。生徒会室へ向かう途中のことだった。 「なあ、今日の放課後つきあわねぇ?」 呼び止めたリヴァルがルルーシュの前まで走ってきて、手をチェスのコマを持つ形にする。 またどこかの貴族からヘルプが来たのかと苦笑し、ルルーシュは持っていた書類を持ち上げて見せた。 「今日はパスだ。明日までに片付けなきゃならない仕事がある」 「って、げっ、それって俺たちも……」 「もちろん今日は生徒会室でみっちり書類と戦ってもらう。逃げたら罰ゲームだからな、リヴァル」 「うへぇ~そんなぁ~」 「今日やっておかないと次に響く。遊びたかったら頑張れよ」 「そりゃそうだけどさぁ……ああ、なんかミレイ会長が恋しいぃ……」 「あの人が卒業して学園が静かになったな」 泣きまねをするリヴァルにそう言って、ルルーシュは通路の窓から大学部の方向を見つめた。 前会長であるミレイは高等部を卒業し、今は大学部の方に通っている。 時々、それとなく生徒会に顔出しをする彼女だが、さすがに今はイベントにまで口を出してこない。 故に、彼女が企画していたとんでもないイベントのほとんどは行われることなく過去の出来事として片付けられていた。 「……俺でも、寂しいと思うよ」 ぽつりと呟きを落とし、ルルーシュは歩き出す。リヴァルはそれが聞こえなかったのか、何の反応もなかった。 * 「……ゼロの亡霊なら、きっと私を狙ってくるのでしょうね」 スザクは僅かに顔を歪めるとそう呟いた。ゼロがそうなってまでこの世に未練があるとしたら、その命を絶ったスザクに対してだ。 シュナイゼルはそこでやっと後ろを振り返った。 「枢木君」 「はい」 「君は、ゼロの素顔を見たのだろう?」 この質問も、何度目だかわからなかった。スザクは瞳を伏せ、はい、と答える。 真っ直ぐ主君の目を見て答えられないのは、スザクに後ろめたさがあるからだ。 シュナイゼルもそれを知っている。 目を合わせぬスザクに苦笑し、まだ駄目かと溜息にも似た呟きを落とした。
* 「違うさ。そんなことはない。……ふん、私はただの傍観者だ」 虚空に向かって言葉を投げ、C.C.は空を見上げる。 白と金の機体――相変わらずカラーリングは変わっていない――ランスロット。 この一年の間に、フロートシステムは標準装備になっていた。 暗闇に浮かぶ雲を切り裂き、機体は悠々と地に降り立つ。 「……ロロが? いいじゃないか、大事な『兄』を奪われては困るのだろう」 あの偽りの兄弟はそろそろ本性を曝け出すだろうか。C.C.はくすりと笑った。 最後のグロースターを薙ぎ倒したゼロは、ランスロットに気付いても逃げる気配がない。 諦めてしまっているのか、それとも好奇心が勝ったか。 「――さあ、ご対面だ」 風に靡く長い髪をかきあげ、C.C.は目を細める。 「世界は変わると思うか? ……マリアンヌ」
『orverflow』より一部抜粋
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