2008'09.28.Sun
衝動で書いてしまった…。あああ。
最終話バレ含みます。スザルルですが出てくるのはスザクとC.C.のみ。
あとで書き直すかもしれません。本当に衝動的な一発書きですのでそれをご考慮いただけると幸い…!(><)
最終話バレ含みます。スザルルですが出てくるのはスザクとC.C.のみ。
あとで書き直すかもしれません。本当に衝動的な一発書きですのでそれをご考慮いただけると幸い…!(><)
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目を開けると、黄緑色が視界一杯に映りこんできた。
「……よく、生きていたな」
感情のよめない声でそう言われて、ああ、とこれまでのことを思い出す。
ダモクレスの要塞でカレンの紅蓮弐式と戦っていたのだ。スペックの差はあれど、ギアスの呪いの力があれば簡単に押さえ込めると思っていた。
あれは……彼女のあの強さは、カレンの想いの力だったのだろうか。日本への。世界への。……ルルーシュへの。
「……C.C.」
「起き上がるな。腹部の裂傷だけじゃない、骨も何本かやられているぞ。生きていたのは、ギアスのおかげかな」
「……」
スザクの沈黙をどう取ったのか、C.C.は微かに笑むと立ち上がる。
「C.C.」
どこかへ姿を消そうとするC.C.を、スザクはもう一度名を呼ぶことでその場に繋ぎとめた。
彼女が振り返り、スザクを見る。黄金色の瞳がやはり何の感情も表わしていないことに痛みを感じた。
何も感じていない訳がない、……自分がここにいる意味を彼女は正確に知っている。
「ルルーシュは」
「今はジェレミアと謁見中だ。あと5分もすれば戻って来る。たまたまあいつがいないときに目を覚ますなんて、お前も器用なことをするな」
あいつはずっと、お前に付きっ切りだったんだぞ。
猫のように細めた目でそう言われて、スザクも少しだけ視界を窄めた。
「C.C.」
「なんだ」
腕は自由に動くことを確認して、目元を隠すように腕を乗せる。
「……懺悔を、きいてくれないか」
「……」
彼女からの答えはなかった。だが気配が近づいてきて、揺れてギシリと鳴ったベッドに彼女の存在の近さを知る。
「僕は……」
一度、息を止める。胸にある圧迫感は、怪我のせいだけではない。
息を吐き出し、競り上がる何かを堪えながら無理矢理吐き出した声は、みっともなく掠れていた。
「いま、生きていたことを……一瞬でも、後悔した……。あのまま、僕が、消えて……そうすれば、彼の未来が、どんな形でも、どこかにあるのではないかと」
彼女はやはり、何も答えない。
「約束を違えるつもりはない。この道でしか、救えないこともわかっている。……それでも」
彼の生を願う。そんな、当たり前のことが今のスザクには罪になる。
「……僕は……」
頬を伝ったそれが何か、知りたくないと思う。
優しい手つきで濡れた筋を辿る指先が優しくて、それが逆に痛みを増幅させる。
「彼のいる未来が、……欲しい」
これで最後だ。
もう、こんな弱音は吐かない。
スザクはルルーシュの剣なのだ。彼のために戦う、彼との約束を守るために存在する剣。
こんな弱い自分は、ルルーシュには見せられない。こんな弱い言葉は、ルルーシュには絶対に聞かせられない。
だから、
「ごめん、……」
君にまた、すべてを押し付けることを許して欲しい。
永遠を生きる……ただそれだけでも重いだろうに。更にこんな懺悔を、身勝手な想いを吐露することを。
「スザク」
彼女がゆっくりと、スザクの名を呼ぶ。
「今だけ、聴いてやる。……すべて言ってしまえ」
慈悲を感じさせる、母親のような声音で。
頬に触れていた指先があやすかのように耳元の髪を撫でてゆく。
「僕は―――」
ああ、自分の声が遠い。
心と身体が別々になる感覚。かの日に切り離さなければならないそれを、今ここで、彼女に渡してしまおう。
「ルルーシュのことを、」
愛の言葉など、自分と彼の間には、存在してはならなかった。
それでもずっと、
「……愛していた」
それはもう、永遠に伝えることができない言葉。
けれどただ捨ててしまうことができないから、永遠の時を彷徨う君に渡しておきたい。
「愛して……いる、んだ」
―――すべては泡沫の、夢のように過ぎる、
目を開けると、黄緑色が視界一杯に映りこんできた。
「……よく、生きていたな」
感情のよめない声でそう言われて、ああ、とこれまでのことを思い出す。
ダモクレスの要塞でカレンの紅蓮弐式と戦っていたのだ。スペックの差はあれど、ギアスの呪いの力があれば簡単に押さえ込めると思っていた。
あれは……彼女のあの強さは、カレンの想いの力だったのだろうか。日本への。世界への。……ルルーシュへの。
「……C.C.」
「起き上がるな。腹部の裂傷だけじゃない、骨も何本かやられているぞ。生きていたのは、ギアスのおかげかな」
「……」
スザクの沈黙をどう取ったのか、C.C.は微かに笑むと立ち上がる。
「C.C.」
どこかへ姿を消そうとするC.C.を、スザクはもう一度名を呼ぶことでその場に繋ぎとめた。
彼女が振り返り、スザクを見る。黄金色の瞳がやはり何の感情も表わしていないことに痛みを感じた。
何も感じていない訳がない、……自分がここにいる意味を彼女は正確に知っている。
「ルルーシュは」
「今はジェレミアと謁見中だ。あと5分もすれば戻って来る。たまたまあいつがいないときに目を覚ますなんて、お前も器用なことをするな」
あいつはずっと、お前に付きっ切りだったんだぞ。
猫のように細めた目でそう言われて、スザクも少しだけ視界を窄めた。
「C.C.」
「なんだ」
腕は自由に動くことを確認して、目元を隠すように腕を乗せる。
「……懺悔を、きいてくれないか」
「……」
彼女からの答えはなかった。だが気配が近づいてきて、揺れてギシリと鳴ったベッドに彼女の存在の近さを知る。
「僕は……」
一度、息を止める。胸にある圧迫感は、怪我のせいだけではない。
息を吐き出し、競り上がる何かを堪えながら無理矢理吐き出した声は、みっともなく掠れていた。
「いま、生きていたことを……一瞬でも、後悔した……。あのまま、僕が、消えて……そうすれば、彼の未来が、どんな形でも、どこかにあるのではないかと」
彼女はやはり、何も答えない。
「約束を違えるつもりはない。この道でしか、救えないこともわかっている。……それでも」
彼の生を願う。そんな、当たり前のことが今のスザクには罪になる。
「……僕は……」
頬を伝ったそれが何か、知りたくないと思う。
優しい手つきで濡れた筋を辿る指先が優しくて、それが逆に痛みを増幅させる。
「彼のいる未来が、……欲しい」
これで最後だ。
もう、こんな弱音は吐かない。
スザクはルルーシュの剣なのだ。彼のために戦う、彼との約束を守るために存在する剣。
こんな弱い自分は、ルルーシュには見せられない。こんな弱い言葉は、ルルーシュには絶対に聞かせられない。
だから、
「ごめん、……」
君にまた、すべてを押し付けることを許して欲しい。
永遠を生きる……ただそれだけでも重いだろうに。更にこんな懺悔を、身勝手な想いを吐露することを。
「スザク」
彼女がゆっくりと、スザクの名を呼ぶ。
「今だけ、聴いてやる。……すべて言ってしまえ」
慈悲を感じさせる、母親のような声音で。
頬に触れていた指先があやすかのように耳元の髪を撫でてゆく。
「僕は―――」
ああ、自分の声が遠い。
心と身体が別々になる感覚。かの日に切り離さなければならないそれを、今ここで、彼女に渡してしまおう。
「ルルーシュのことを、」
愛の言葉など、自分と彼の間には、存在してはならなかった。
それでもずっと、
「……愛していた」
それはもう、永遠に伝えることができない言葉。
けれどただ捨ててしまうことができないから、永遠の時を彷徨う君に渡しておきたい。
「愛して……いる、んだ」
―――すべては泡沫の、夢のように過ぎる、
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