2010'03.30.Tue
というか、中途半端ネタというか…。
急に思いついて、ぱぱっと文字にして打ち込んでおいたものがあるので晒してみる。中途半端で「え?ちょっと待って途中ないよ?え?どんな状況?え?ここで終わるの!?」って感じですが、まあ、雰囲気で(笑)
中途半端でもいいよ!てな方だけ閲覧ぷりーす。ちょっとだけC.C.も出ますがスザルルおんりーです。
急に思いついて、ぱぱっと文字にして打ち込んでおいたものがあるので晒してみる。中途半端で「え?ちょっと待って途中ないよ?え?どんな状況?え?ここで終わるの!?」って感じですが、まあ、雰囲気で(笑)
中途半端でもいいよ!てな方だけ閲覧ぷりーす。ちょっとだけC.C.も出ますがスザルルおんりーです。
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「……本当にここなのか」
スザクの目が寂れた礼拝堂を捉え訝しげに細められた。
「残された情報から導き出されるのはここしかない。何が目的なのかはわからないが」
「C.C.を捕まえる目的なんて、数えるほどしかないんだろう?」
「……そうだな」
彼女を必要とする人間など、ギアス絡みとしか考えられない――スザクに言われるまでもなくわかっている。ギアス嚮団の関係者か。もしくは、C.C.とV.V.以外にもコード保持者がいたのか。
もしくは、彼女自身ではなくルルーシュに用があるのか……。
扉に手をかけたが、一瞬開ける事を躊躇った。と、それに気付いたのか、スザクがすっと手を伸ばしてルルーシュの行動を遮る。
「ルルーシュ」
「何だ」
重ねられた彼の手のひらはあたたかい。
「今君が考えていること、当ててあげようか」
「……こんなときに、何を」
冗談を言うような口調ではなかった。だが、現状に似つかわしい言葉でもなかった。僅かに眉をひそめ、目を上げる。
「何があってもギアスの解放は認めないよ」
「!」
……お見通し、だったのだろう。スザクには。
いざとなれば、封じている自らのギアスを復活させることも考えていた。キャンセラーがあるわけでもなく、そう簡単に取り戻せるものでもないが……C.C.が以前言っていたように、「強い意志」で打ち破ることは可能だろう。
それが最善であるならば。誰も喪わずに済むのなら。
けれどスザクはそれを否定する。
「相手がコード保持者であればどちらにしてもギアスは効かない。不死だというのなら僕が動きを封じる。不死だと言っても身体能力は生まれ持ったそのままなんだ、負けたりしない」
「スザク」
「君は自分の身を守ることと情報分析だけを考えていて。役割分担だと言ったのは君だろう?」
わかっている。そう返そうとして、ルルーシュは小さく首を横に振った。
「コード保持者でなかったなら?」
「それこそ僕の能力を活かすべきだろう?」
スザクの瞳は真剣だった。ルルーシュはもう一度首を横に振り、だが反論を諦めて礼拝堂を見上げた。頂点に立つ十字架が夕焼けの色に染まっている。
――コード保持者ではなく、ギアス能力者だったら?
その可能性はスザクだって感じているだろうに。だが口にしないのは、ギアスという力が視覚を媒体にするものばかりではないとわかっているからだ。
もし、マオのように五感など関係なく、能力範囲に脚を踏み入れただけで効果がある能力だったら……そのときは……。
「ルルーシュ」
もう一度、名を呼ばれる。今度は答え返さずただ振り返れば、彼はふっと口端を引き上げ微笑した。
「大丈夫。僕たち二人なら、できないことなんてない」
「……、」
自信に満ちた笑みにつられるようにして、ルルーシュは表情を和らげた。
* *
「駄目だ、ルルーシュ!!」
C.C.の叫び声が聞こえたような気がした。
視界が赤く染まる。脳が揺さぶられ、情報が渦巻いたその後で、一瞬だけ真っ白になる感覚。
(駄目だ)
知っている。この感覚は。
(ギアスの)
発動時の――。
『枢木スザクを殺せ』
「ルルーシュ!!」
「……っ」
じゃらっ!と耳障りな金属音が響いた。C.C.が四肢を繋ぎとめられている鎖の擦れ合う音。重なる彼女の声。
「ギアスに呑まれるな!!ルルーシュ!!」
「うるさ……い、」
「ルルーシュ!!」
頭が割れる。殺せ、殺せ、と命令がリフレインしている。
(殺す?)
身体中に湧き上がる衝動がある。何だ、これは。
(誰を?)
震えて力の入らなくなった脚が崩れ、地に膝をつく。その行動と同時に感じた息を呑む気配に、赤く明滅する瞳を上げる。
「……ルルーシュ……」
「スザ、……」
(殺せ)
「……ッ」
(枢木スザクを)
「やめ、ろ……!」
勝手に動き出しそうな右腕を左手で掴む。
スザクに勝てるわけがないだろう、こいつを殺れるのなんて同じラウンズのメンバーしかいない。自分では無理だ、無理なんだ。だから……!
「スザク……ッ、俺を、縛れ……!」
意識のあるうちに。まだ自我を保っていられるうちに。
本当は殺せと言いたかったが、スザクのことだ、殺せと言っても嫌だと首を振るだけだろう。むしろ望んで自分の命を差し出す可能性すらある。
だから敢えて彼の心が痛まぬ程度の願いを口にする。拘束では何の解決にもならないだろうが、スザクが行動を束縛されることはなくなる。
(殺せ)
駄目だ、殺せない。一緒に生きたいと思った相手だ。自分が誰よりも必要としている相手だ。彼を失くしたら、きっと自分はどこかが壊れる。
(殺せ)
相手もそれをわかっているのかもしれない。ルルーシュを壊し、C.C.を手に入れ、そして……。
「ルルーシュ」
「早く、し……、!」
言葉を飲み込んだのは、意識が奪われたからではなかった。物理的に、唇を塞がれたからだ。
「……ギアスは目的を達するまで解けない」
「だか、ら、縛れと、」
「それで、君が苦しむのをずっと見ていろと?そんなのは、嫌だ」
「馬鹿、が……!もう、限界が、……早く、おれ、を、」
ふっ、とスザクが微笑んだように感じた。こんな時に、微笑むなど有り得ないのに。
錯覚だったかもしれない。瞬きをひとつする間に彼の表情は真剣なものになっていた。
ただ身体の横に下ろされていただけだったスザクの手が持ち上がり、右手を握り締めているルルーシュの左手に重なった。
動きを抑制するような強さはない。ただ、あたためるように。
入り口でそうしてルルーシュの緊張を解いてくれたように、ぬくもりを与えるだけの。
「いいよルルーシュ。撃って」
そして告げられた台詞は、ルルーシュが考え得る中で最悪最低のものだった。
「スザク……!」
「……僕には、君のギアスが……『生きろ』という願いがあるから」
彼も危機感を感じているのだ。その証拠に、目の前の翡翠はうっすら赤く縁取られている。
ギアスとギアスの戦いだ。そんな馬鹿げた言葉を紡いだ唇が、もう一度重なる。
それが、最後の抵抗だった。
-------------
続くか続かないか、実際使うか使わないかは謎である。ただ、『ルルーシュがギアスにかかって「スザクを殺せ」と命じられギアスに抵抗する』ってのが書きたかったのです(笑)
「……本当にここなのか」
スザクの目が寂れた礼拝堂を捉え訝しげに細められた。
「残された情報から導き出されるのはここしかない。何が目的なのかはわからないが」
「C.C.を捕まえる目的なんて、数えるほどしかないんだろう?」
「……そうだな」
彼女を必要とする人間など、ギアス絡みとしか考えられない――スザクに言われるまでもなくわかっている。ギアス嚮団の関係者か。もしくは、C.C.とV.V.以外にもコード保持者がいたのか。
もしくは、彼女自身ではなくルルーシュに用があるのか……。
扉に手をかけたが、一瞬開ける事を躊躇った。と、それに気付いたのか、スザクがすっと手を伸ばしてルルーシュの行動を遮る。
「ルルーシュ」
「何だ」
重ねられた彼の手のひらはあたたかい。
「今君が考えていること、当ててあげようか」
「……こんなときに、何を」
冗談を言うような口調ではなかった。だが、現状に似つかわしい言葉でもなかった。僅かに眉をひそめ、目を上げる。
「何があってもギアスの解放は認めないよ」
「!」
……お見通し、だったのだろう。スザクには。
いざとなれば、封じている自らのギアスを復活させることも考えていた。キャンセラーがあるわけでもなく、そう簡単に取り戻せるものでもないが……C.C.が以前言っていたように、「強い意志」で打ち破ることは可能だろう。
それが最善であるならば。誰も喪わずに済むのなら。
けれどスザクはそれを否定する。
「相手がコード保持者であればどちらにしてもギアスは効かない。不死だというのなら僕が動きを封じる。不死だと言っても身体能力は生まれ持ったそのままなんだ、負けたりしない」
「スザク」
「君は自分の身を守ることと情報分析だけを考えていて。役割分担だと言ったのは君だろう?」
わかっている。そう返そうとして、ルルーシュは小さく首を横に振った。
「コード保持者でなかったなら?」
「それこそ僕の能力を活かすべきだろう?」
スザクの瞳は真剣だった。ルルーシュはもう一度首を横に振り、だが反論を諦めて礼拝堂を見上げた。頂点に立つ十字架が夕焼けの色に染まっている。
――コード保持者ではなく、ギアス能力者だったら?
その可能性はスザクだって感じているだろうに。だが口にしないのは、ギアスという力が視覚を媒体にするものばかりではないとわかっているからだ。
もし、マオのように五感など関係なく、能力範囲に脚を踏み入れただけで効果がある能力だったら……そのときは……。
「ルルーシュ」
もう一度、名を呼ばれる。今度は答え返さずただ振り返れば、彼はふっと口端を引き上げ微笑した。
「大丈夫。僕たち二人なら、できないことなんてない」
「……、」
自信に満ちた笑みにつられるようにして、ルルーシュは表情を和らげた。
* *
「駄目だ、ルルーシュ!!」
C.C.の叫び声が聞こえたような気がした。
視界が赤く染まる。脳が揺さぶられ、情報が渦巻いたその後で、一瞬だけ真っ白になる感覚。
(駄目だ)
知っている。この感覚は。
(ギアスの)
発動時の――。
『枢木スザクを殺せ』
「ルルーシュ!!」
「……っ」
じゃらっ!と耳障りな金属音が響いた。C.C.が四肢を繋ぎとめられている鎖の擦れ合う音。重なる彼女の声。
「ギアスに呑まれるな!!ルルーシュ!!」
「うるさ……い、」
「ルルーシュ!!」
頭が割れる。殺せ、殺せ、と命令がリフレインしている。
(殺す?)
身体中に湧き上がる衝動がある。何だ、これは。
(誰を?)
震えて力の入らなくなった脚が崩れ、地に膝をつく。その行動と同時に感じた息を呑む気配に、赤く明滅する瞳を上げる。
「……ルルーシュ……」
「スザ、……」
(殺せ)
「……ッ」
(枢木スザクを)
「やめ、ろ……!」
勝手に動き出しそうな右腕を左手で掴む。
スザクに勝てるわけがないだろう、こいつを殺れるのなんて同じラウンズのメンバーしかいない。自分では無理だ、無理なんだ。だから……!
「スザク……ッ、俺を、縛れ……!」
意識のあるうちに。まだ自我を保っていられるうちに。
本当は殺せと言いたかったが、スザクのことだ、殺せと言っても嫌だと首を振るだけだろう。むしろ望んで自分の命を差し出す可能性すらある。
だから敢えて彼の心が痛まぬ程度の願いを口にする。拘束では何の解決にもならないだろうが、スザクが行動を束縛されることはなくなる。
(殺せ)
駄目だ、殺せない。一緒に生きたいと思った相手だ。自分が誰よりも必要としている相手だ。彼を失くしたら、きっと自分はどこかが壊れる。
(殺せ)
相手もそれをわかっているのかもしれない。ルルーシュを壊し、C.C.を手に入れ、そして……。
「ルルーシュ」
「早く、し……、!」
言葉を飲み込んだのは、意識が奪われたからではなかった。物理的に、唇を塞がれたからだ。
「……ギアスは目的を達するまで解けない」
「だか、ら、縛れと、」
「それで、君が苦しむのをずっと見ていろと?そんなのは、嫌だ」
「馬鹿、が……!もう、限界が、……早く、おれ、を、」
ふっ、とスザクが微笑んだように感じた。こんな時に、微笑むなど有り得ないのに。
錯覚だったかもしれない。瞬きをひとつする間に彼の表情は真剣なものになっていた。
ただ身体の横に下ろされていただけだったスザクの手が持ち上がり、右手を握り締めているルルーシュの左手に重なった。
動きを抑制するような強さはない。ただ、あたためるように。
入り口でそうしてルルーシュの緊張を解いてくれたように、ぬくもりを与えるだけの。
「いいよルルーシュ。撃って」
そして告げられた台詞は、ルルーシュが考え得る中で最悪最低のものだった。
「スザク……!」
「……僕には、君のギアスが……『生きろ』という願いがあるから」
彼も危機感を感じているのだ。その証拠に、目の前の翡翠はうっすら赤く縁取られている。
ギアスとギアスの戦いだ。そんな馬鹿げた言葉を紡いだ唇が、もう一度重なる。
それが、最後の抵抗だった。
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続くか続かないか、実際使うか使わないかは謎である。ただ、『ルルーシュがギアスにかかって「スザクを殺せ」と命じられギアスに抵抗する』ってのが書きたかったのです(笑)
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