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咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。

2024'11.19.Tue
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2008'06.02.Mon
スザルルえろが書きたくて書き始めたはずがまったく違う方向に。続きます、たぶん(笑)押せ押せーなスザクの話(爆)

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*-*-*-*-*


 きっかけがなんだったかなんて覚えていない。
 手が触れたとか、不意に顔と顔の距離が縮まったとか、そんなことだったような気がする。
 でも、それが、互いの関係に確かな変革を齎したのは、間違いないのだ。

 触れた唇は一瞬だった。見詰め合ったその先で、相手の頬が赤くなるさまを感じたのはお互いに同じことで、そのあと一歩身を引くか踏み込むかは経験の差がものをいったように思う。
 赤い顔で踵を返そうとしたルルーシュを背後から抱きしめてしまったのは本当に反射で、しかもその腕の中の彼がまったく抵抗しないものだから、見えた赤い耳に唇を落とした。びくりと震えた彼の反応が可愛くて口許を緩ませて強く抱きしめる。力は加減しているけれど絶対に何か言いたいだろうに、腕の中の相手は身体を強張らせさらに赤くなるばかりでお得意の口撃――言葉で相手を打ちのめすあれはまさに口でする攻撃だと思う――も始まらない。



「おまえたちってやってること恋人同士だよなあ」
 一緒にいること多いし、気がつくとじゃれてるし、弁当作ってもらったり休日に一緒に出かけたり、無意識にラブオーラ発してるんだよなー。
 ある日突然リヴァルが呟いたそれが、すべての始まりだった。それまでは特に意識したこともなかったはずなのに、その言葉の意味を考えて、恋人ってなに、好きってなに、それが恋ならじゃあ自分たちは、というような連想ゲームのように自覚したという何と言うか冗談みたいな本当の話なのだが。
 けれどスザクが自覚したそれをルルーシュが同じように考えているとは思わなかったから、ルルーシュに告白してみたのだ。
 まあ、世間一般の好きです付き合ってくださいなんて言葉はもう今更自分たちにはいらない。というか、そういうのは無理だ。いくらスザクでも。できれば遠まわしにゆっくりと、ルルーシュの意思を確認しながら外堀から固めていくような慎重な作戦を取りたかったのだが、それではダメだろうと思った。
 大事にしたい、大切なんだ、すっと一緒にいたい。いろいろ考えてみたがどれもルルーシュには勘違いされて終わりそうな気がしたので、好きだとストレートに言わなければルルーシュには通じないだろうと思いつつ、しかしそれでも友情の好きと勘違いされて終わりそうな気配がぷんぷんしていたので、さらに悩んだ。シャーリーの淡い恋心に――結構あからさまなあの視線に――まったくと言っていいほど気付いていないルルーシュのことだ、スザクが軽く何かを言ったって冗談としか受け取ってもらえない。エイプリルフールはまだ先だぞと呆れ顔をされたりしたらそれこそたまらない。
 一応これでも一大決心なので、彼の心に残る言葉でなければ意味がない、そう考えて意気込んだスザクは、久しぶりに訪れた彼の自室で告白した。
「ルルーシュ。キスしていい?」
 いろいろ考えた結果だった。それが。
「………………は?」
 たっぷり数十秒。ぽかんと口をあけたまま固まったルルーシュは、スザクの真剣な目を見て何度も瞬きを繰り返していた。
「な、なにを突然、おまえ」
「この間リヴァルが言ってたこと、よく考えてみたんだ。恋人同士みたいだってやつ」
「あ、ああ。あれか。見えるからってキスは飛びすぎだろう。驚かせるなよ」
 飛びすぎでもないのだが。好きだと気付いたら、抱きしめたくなった。触れたくなった。その唇に自分の唇を重ねたい。心だけじゃなく身体も欲しい。即物的だとは思ったが、同性同士では有効な欲求だと思う。だって相手がリヴァルならそんなこと考えもしない。キスなんて挨拶だってやらないし、抱きしめるのは冗談で充分だ。抱きたいとか触れたいとか、そんなこと考えるはずもない。
「おまえはブリタニア育ちじゃないんだから、別にこういうのはしなくてもいいんだぞ」
 とか何とか言いながら、ルルーシュは何故かほっとした表情でスザクの頬に自分の頬をくっつけて、最後に少しだけ唇を頬に寄せた。
(あー)
 確かにキスだ。
 しかしこれは、挨拶のキス。
 でもせっかくだし触っておくかとスザクもルルーシュを引き寄せて頬に口付け、ついでとばかりに額を合わせて顔を近づける。
「っ」
 ぎょっとしたようなルルーシュにひとつ溜息をついてみせて、違うよ、と彼の考えを否定。
「……、何がだ」
「僕がキスしたいのは、ここ」
 彼の唇を人差し指でふに、と押さえると、ルルーシュはそのまま目を見開いた。
「ついでに言うと、見えるからっていう理由じゃなくて。自覚したんだ。僕は君と、本当の恋人同士になりたい」
「……え、」
「だから、キスしたいなって思ったんだ。キスだけじゃなくて、その先も」
「っ!?」
 ひく、とルルーシュの頬がひきつった。これはかなり動揺している。
「――うん、でも、まあ、」
 頭の回転が落ちているように見える彼に微笑みかけて、少しだけ距離を取る。
「君の意思を無視してまでする気はないから安心して。そんなに警戒しないでよ傷つくなあ」
「……スザク、」
 身を離したスザクに安心したのか、ルルーシュが困ったような表情で名を呼んだ。
 そこに嫌悪は窺えない。あるのはただ混乱と困惑。
(第一関門突破)
 さらに一歩距離を取って、今日はこれで帰るよ、と椅子にかけておいた上着を取る。
 何か言いたそうなルルーシュに微笑みかけて、でもね、と言葉を紡ぐ。
(これが第二関門)
「これから先、君が隙を見せたらキスするよ。……嫌だったら、ちゃんとガードして」
「はっ!? なっ、なんだそれは! スザク! おい!」
 その攻防の間に、ルルーシュがスザクに少しでも気持ちを動かしてくれたら第二関門突破。
(そして第三関門は)
 慌てたようにスザクの腕を掴んだルルーシュを見つめ、甘いなあと思う。
 今宣言したばかりなのに、隙だらけだ。
「ルルーシュ」
 腕を引いて、バランスを崩しそうになった彼の唇を狙って、顔を近づける。
「っ……!」
 が、ルルーシュは寸前で体勢を立て直しスザクの口に手のひらをあててきた。もがもが、と口を動かす。
「おまえ、っ、こんな、一方的すぎるだろうが!」
 じゃあどうすればいい? ことりと首を横に倒せば、ルルーシュがため息をつく。警戒しているからか口からはずされない彼の手のひらのせいで、喋ることができない。そもそも、だの、だからおまえは、だの、どうやら思考の海に漂い始めてしまったルルーシュをしばらくみつめ、スザクは笑った。スザクにはまだ自由な片手があるというのに。
「ルルーシュ」
 彼の手をやんわり外して、本気だからね、と笑みと共に告げる。
 ルルーシュは視線を彷徨わせて、何か言いかけてやめ、唇を噛み、そしてこう言った。
「…………キス、したら。諦めるのか」
「まさか。もっと先を求めるよ」
「さ、先って……」
「僕は、君の、心も身体も欲しいんだ。……ルルーシュ」
「身体って、お、まえ、……ッ」
 そこで初めてルルーシュが赤くなった。あれ、やっとちゃんと理解してもらえたらしい。
 やっぱりルルーシュは鈍いなあと何となくほほえましくなりながら、スザクはさらに追い討ちをかけた。
「好きだよ、ルルーシュ」
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