「……ルルーシュ、僕の頭叩くのクセになってるだろ」
不意に、スザクがそう呟いた。
隣で転がる彼を見つめ、そうか? と首を傾げる。
「無意識?」
「あぁ……いや……うん……?」
「結構痛いんだよ、あれ」
そう言いながら、スザクの唇が首筋に落ちてくる。くすぐったくて身を捩ると、今度は全身でのしかかられた。
「こ、ら……っ、今日はもう……!」
「うん、わかってる」
「わかってないだろう!」
腰を撫で脚を絡めてくるその行動は、どう考えてもわかってるようには思えない。過去の経験から言って、こういうじゃれ合いが一番その先に発展しやすいのだ。
ルルーシュの肌に残した赤い痕をなぞるように、スザクは唇を寄せ小さなキスを繰り返している。その間にも触れ合った下肢が擦り合わされて。
(マズイだろ……ッ)
「……っ、スザク!」
ボカ!
気付けば、腹の上まで移動していた彼の頭を殴り付けていた。
「……痛い……」
「あ」
反射、だ。完全に。
「やっぱりクセになってるよルルーシュ……」
「あー……、……みたいだな」
恨めしそうに見上げるスザクの瞳は微かに潤んでいるようにも見える。
ルルーシュは仕方なく手を伸ばすと、彼の頭を胸元まで引き上げ抱き締めた。
「おまえが、……」
言いかけて、やめる。
スザクのせいにしてしまうのは、何か違う気がしたので。
「……俺が、……そうしないと、耐えられないんだよ」
「何が」
「だから……抑制したいのに、流される、から。お前、言ってもきかないし」
スザクが伏せていた顔をあげる。
「言われる前に叩かれてる気がするけど?」
確かに今のは言葉より先に手が出ていたが。
(でも、それは、お前が、……)
「……」
「………」
「…………」
じいーっと見つめてくる瞳に根負けする。
「……………悪かった」
はあー、と息をつきながら頭を撫でてやると、スザクはクスクス笑いながらルルーシュの腰に抱きついてきた。まさか、と焦る。
「あ……おい!」
「何もしませんー。信用ないなあ僕」
「そういう台詞は日頃の行いを振り返ってから言え」
スザクはんー、とかあー、とか言いながらぎゅうっとくっついてくるだけ。
(珍しい。甘えて……るのか?)
仕方ないなと苦笑して、ルルーシュはもう一度彼の頭を撫でた。
――結局のところ、ルルーシュがスザクに甘いのが、一番問題なのかもしれない。
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私生活が切羽詰れば詰まるほどこういうSSSが書きたくなります。思いつくのがスザルルばっかりで申し訳ない; 種も書きたいなー…アスキラでギアスネタやりたいです。猫祭りとか男女逆転祭りとか(笑)
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