忍者ブログ

sakura*blog PMstyle

咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。

2024'11.16.Sat
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2007'09.12.Wed
 何もかも、と自分のシャツを掴んだ彼が、酷く頼りなく見えた。
 一瞬合った瞳はすぐに逸らされ顔は俯けられてしまったから、彼の表情はわからない。ただ、触れた部分から伝わる微かな震えが、今の心理状態を表している気がした。
 彼は滅多に弱音を吐かない。涙も見せない。なのに今は、こんな風に自分に縋っている。
 そっと手を身体に添えると、シャツを握る手に力がこもり、スザクの胸元に深い皺ができた。
「ルルーシュ」
 呼び掛けに応えるのは、やはり彼の手だけ。スザクを引き寄せる、その強さだけ。
(……ああ、拙いな)
 彼が自分に寄せる絶対の信頼が痛い。
 友達だから。幼馴染、という名があるから、彼はこうしてスザクを頼ってきているのに。
(友達、だったら……どうすればいい?)
 こんなとき、友達ならばどうするのだろう。
 スザクにはわからない。自分が思うようにしたら、それは友達として、の行動にはならないから。
「ルルーシュ……」
 もう一度、彼を呼ぶ。先程より優しく、先程より戸惑いを含み、そして先程よりずっと、友としての響きを消した声音で。
 返らぬ答えに僅かに安堵し、腕を背に回すと強く抱き締める。
「僕が」
 抵抗のない身体。雨に濡れた髪に唇を寄せ、スザクは目を閉じた。
「何もかも……忘れさせてあげるって言ったら、君はどうする?」

 答えを待つ時間は恐ろしいほど長かった。
 友達という関係を捨てきれないから、壊してしまうことは自分にはできないから、スザクは逃げ道を用意した。
 今ならまだ、彼の拒絶で元に戻れる。馬鹿だなと言って、大丈夫だとそう言って、そしてお前には甘えないとその手を放して。

 今なら。今だけ。
 けれど一歩でも進んだら、もう元には戻らない。

(……ごめん、ルルーシュ)

 自分は卑怯だ。
 戻るべき道を奪い、逃げ道を作る。

 ――残した逃げ道に、君はどうするだろう。






*-*-*-*-*

何となくの短文でした。
携帯からのアップだったので、ちょこっとだけ改訂。
この前後の話もあるので、そのうちアップできたらいいな~(遠い目)本編沿いではなくパラレルですが。
ていうか今、物凄く俺スザクが書きたい(笑)7年前からずーっと一緒に過ごしてたら、なスザルルが。エリア11となった日本、枢木の家を捨てたスザクと、ブリタニアの名を捨てたルルーシュ。いつかブリタニアから日本を取り戻し、ブリタニア皇帝を引き摺り下ろすことを誓い、共にアッシュフォードに身を寄せて…。みたいな(笑)
軍に入っていないしルルーシュとも離れてないから、スザクはあのまま「俺」で。でもきっと優しかったりフェミニストなのは俺スザクでも変わらない気がするな~。んでルルーシュに嫉妬されるといい。「何怒ってるんだよルルーシュ」「うるさい、ついてくるな!」「言わなきゃわからないだろ!」「お前には関係ない、はなせ馬鹿!」「(カチン)馬鹿はお前だ、いい加減にしろよ!」「っ、いいから戻れ!話、途中だったんじゃないのか」「話?…ああ、さっきの。いいよ別に。知らない子だし」「なっ…」「何だよ、戻って欲しいのか」「……」「だから、言わなきゃわからないって…(溜息)…ルルーシュ?」……。楽しい。すみません、ついつい(笑)
絵を描いてるから頭は種モードなんですけど、思いつく話はみんなスザルルなんですよねぇ。何故だ。昼間からスザルルえろネタを考えてる私は駄目人間です(でも後悔はしていない)(爆)

拍手

PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
trackback
この記事のトラックバックURL:
[173] [175] [174] [172] [171] [170] [169] [168] [166] [167] [165
«  BackHOME : Next »
twitter
適当なことばかり呟いています。@歓迎。
SEARCH
RECOMMEND
タニタ食堂の金芽米

好きなので(笑)

sakura*blog PMstyle wrote all articles.
Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]