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咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。

2025'03.10.Mon
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2009'06.04.Thu
今日中に書き終えてアップするつもりだったのですが無理でした。腰痛か半端ないです…歩くだけでも痛いって、突然何なの!(身内にそれを言ったら「ぎっくり腰じゃないの」って…そっ、そんな馬鹿な!)

ちゃんと書き上げてサイトアップしたいのですが、何となくで書きかけをブログにあげちゃいます。興味のある方はどうぞ。
「abgesang」を読んでくださっている方にはおわかりかもしれませんが、R2本編沿いのお話なのでシリアスでダークです。そしてこのお話はまだR2TURN4あたりのお話なので、…察してください(笑)

もうすぐ夏の合否がわかるというのに、何だかオフよりオンのお話を書いてしまいたくて、どうしようもないです。今月半ばくらいまではオンを頑張りたいと思ってみたり。

と、いうわけで。メインはスザク。そしてV.V.です。
…需要のなさそうな組み合わせだな!(笑)

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----------------

 頭の芯が熱くなる。己の意識が暗い奥底に沈み、焼けた思考と身体が脳の信号に従って動く。
『生きなければならない』
 それは一体、何の笑い話だろう。
『俺は、生きる』
 何故? 何のために?
『生きていて、と願う人がいるから』
 そう叫んでくれた人は、自分に生きる理由を与えてくれた人は、もうどこにもいないというのに。






「枢木卿!」
 自分を呼ぶ声にはっと目を見開く。バサリ、と風を孕んだマントが揺れ動き、ついと下を見遣ればそこには地に伏せた一人の男がいる。
「枢木卿、お怪我はありませんか」
 問いかける声と共に数人の兵が駆け寄ってきて転がる男を拘束した。カラカラ、と音がしてふと足元を見遣ればナイフが光を反射してきらりと光っていた。無意識に拾い上げようとした矢先にスザクに声をかけた兵士がそれを拾い、白い布に包むと証拠品として男を引き摺る兵に渡す。
 狙われたのか。自分は。
「ああ……大丈夫だ」
 動揺もせず答え返してから、スザクは唇を噛むと踵を返した。

 枢木スザク、と名を呼ばれたところまでは覚えていた。しかしその後の行動はとても曖昧で、自分がどのようにしてあの男を地に伏せたのか覚えていない。
 いや、覚えていない、というのもまた違うのかもしれない。
 自分がとった行動はわかる。ナイフを持ったまま突進してきた男にひらりと身をかわし腕を捻り上げ地に投げ捨てた。
 けれどそれは、己の意思ではなく、スザクの意識下とは違うところで起きたこと。
(……俺はいつまで、この呪いに支配されればいい)
 手袋で覆われた両手を、ぐっと強く握り締める。
(お前は、何故、)
 薄暗い通路に入る直前、スザクは不意に後ろを振り返って空を見た。
 この世を覆いつくす暗闇への準備を始めた空は、太陽を隠し淡いオレンジ色を雲に残して刻々と色を変えて行く。
「…………」
 この空の向こうに、自分は、彼女は、……彼は、何を見ているのだろう。






 暗闇に、小さな子供の姿が浮かび上がる。唇を笑みの形に吊り上げたその少年は、長く床に這う髪を持っていた。
 遠い過去の話ではない。ナナリーが総督になると知り、皇帝から彼女の監視及びアッシュフォード学園の機密情報局の総指揮を任されたすぐ後だ。
 明朝にはエリア11へと発つ、その夜。ブリタニアとの別れに何の感慨もなく窓辺で風を受けていたスザクの目の前に姿を現した彼は、一年前と何も変わっていなかった。
 スザクは驚くこともなくその侵入者を見つめ返した。窓を閉めるべきか否か迷いはしたが、騒ぎ立てる選択肢はない。
 この奇怪な少年と会うのは二回目だった。一度目は、ユーフェミアが永眠るアヴァロンの一室で。
 ギアスという超常の力、人の意思を捻じ曲げる悪魔の瞳、ゼロが行った数々の卑劣な所業。余すことなく語られたそれは、今でもスザクの記憶に深く刻み付けられている。
「僕が言ったこと、ちゃんと覚えてたんだね」
 そう言われて、スザクは少しだけ眉をひそめた。何のことだ、という顔をしていたのだろう。少年は――V.V.はすとんと部屋のソファに身を落とすとくすりと笑う。
「すべてが終わったら、シャルルの元に行けって言っただろ? 褒美をくれるよって」
「…………」
 そういえばそんなことを言われたな、とスザクはV.V.から視線を外した。そう……その言葉があるから、スザクは今の地位にいるのだ。

 こんな子供の言葉を鵜呑みにしていたわけではない。だが目の前にぶら下げられた、それですべてが収まる理由に全身が戦慄いた。
 意思を捻じ曲げ意のままに従わせる超常の力。
 それが本当なら、すべてが繋がる。
 ゼロが起こした奇跡の理由も、自分が命令に背いたその理由も、心優しいユーフェミアが虐殺を命じた理由も。

 仮面を撃ち、ゼロの素顔を見た瞬間に湧き上がったのは、怒りと、悔しさと、憎しみと……そして僅かばかりの遣る瀬無さだった。
 自分の中の彼に対する想いが黒く染まってゆく。
 ユーフェミアの世界は終わってしまった。彼女が望んだ優しい世界は目の前の男のせいで歪んでしまった。なのに、彼は自分の妹を取り戻そうと、自分の世界を取り戻そうとしていた。だから、思ったのだ。
 世界はお前に必要ない。世界はお前を必要としていない。お前の世界は終わらせなければならない。そう、頑なに。
『お姫様を生き返らせることは出来ないけど、シャルルなら君の願いをかなえることは出来る』
 あの時のスザクに、V.V.言葉の真意を知ることは出来なかった。
 だが、彼の世界をすべて否定したあとに、そうかと思った。スザクの願いは、今明かされた。目の前の男の世界に終焉を。
『君を終わらせる。……ルルーシュ』
 そして。ゼロのいなくなったこの世界は、もう一度やり直すのだ。優しい世界へ向けて――。

「世界は、君が望むように動いている?」
 スザクが答えても答えなくても関係ないのか、背後の少年は世間話をするような軽さで言葉を紡ぐ。
 窓の外は暗く、木々は風に揺れてまるで叫び声のような音を鳴らしている。カタカタ、と窓枠が鳴る音がして、ひゅうっと一筋の風がスザクの髪を揺らした。
「君は不思議だね、枢木スザク。僕を見ても驚かない。何も問わない。シャルルとの関係も聞かない。初めて会った時は非常時だったし君の精神状態もまともじゃなかったから当然にしても、本当に不思議でならないよ」
 そこで初めて、スザクはふっと唇に笑みを浮かべた。自嘲にも似たその笑みは背を向けているせいでV.V.には見えなかっただろう。
 何故驚かないか? 何故何も聞かないか? それは知る必要性が見出せないからだ。皇帝がギアスを持っていた時点でV.V.との関わりはそれが接点なのだろうと知れた。アヴァロンの一件で仕組みはわからなくても部屋に忍び込むことが彼にとってなんでもないことなのだと知った。神根島の瞬間移動にも彼が関わっていたと聞けば疑う余地もない。……だから、知りたいことなど、他には何もない。
「今日はさ。君とおしゃべりをしに来たわけじゃないんだ」
 とん、と彼がテーブルを指先で叩いた。何故だか絶対的な響きを持つその音に、スザクは振り返る。
 そして、突き出された彼の手のひらにある赤い紋様にはっと目を瞠った。
「見覚えがある?」
 にたり、と気味の悪い笑みを浮かべ、V.V.が立ち上がった。
「たぶん、君と会うのはこれが最後だよ、枢木スザク。あの時はゼロを消してくれてありがとう」
「……!」
 ありがとう、とは、どういう意味だ。
「本当は殺して欲しかったけど、それはしょうがないよね。ナナリーがこっちに戻っただけでもよしとするよ」
「なに……?」
 V.V.に向かって初めて声を出す。ナナリーに何かする気かと眦を上げれば、彼は声を上げて笑った。
「ナナリーの前に、自分の身を心配した方がいいんじゃないの?」
 V.V.の手のひらが赤く染まってゆく。浮かび上がった紋章を取り囲むように光が集まる。
 それを見つめながら、スザクはふっと息を吐いた。彼が自分に何をしようとしているのかはわからないが、何があろうと命だけは失えないからだ。スザクの腰には護身用の銃がある。彼が何かすれば、おそらくスザクの手は勝手に動き、この銃を目で追えぬ速さで撃ち出すだろう。
 ナイト・オブ・セブンとして戦場に出るようになってから、何度となく経験したそれ。死を少しでも知覚した途端に、スザクの力は一瞬にして何倍にも膨れ上がる。
「別に。……俺は、死神に嫌われているみたいだからね」
「へえ。死にたいのに?」
 死にたい――。
 それはずっとスザクの中にあったものだった。だが主であったユーフェミアのおかげで死の呪縛からは抜け出すことが出来、違う形での贖罪を探すようになった。
『生きていて!』
 彼女の言葉が今でもスザクの心に根付いているから。だから自分は、生きなくてはならない。彼女の願いに応えるために。彼女の想いに報いるために。
「死を恐れてはいない。けれど、死を受け入れるつもりもない」
「ふうん。ギアスで為された命令には感情も伴うのか。初めて知ったよ」
 何気ない言葉だっただろう。V.V.が呟いたそれに、スザクは先程よりも大きく目を見開いた。
「……ギアスの、命令?」
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