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sakura*blog PMstyle

咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。

2024'11.18.Mon
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2008'05.21.Wed
すみません、お待たせしました。……というか、実は、7話を見たら話の方向性を見失ってしまって…;;軽くスランプに陥ってしまいました(涙)
もっと続ける予定だったのですが、今回の短い話を最後に終了です。あとはサイトに載せるときにでもちょこちょこ書き足したいなあと思っています。


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*-*-*-*-*-*-*


 ブゥン、と小さな音がして監視モニターの映像が切り替わる。校門、通路、中庭、クラブハウス正面、教室、生徒会室。時間が早いからか生徒の姿はまばらで、その中にルルーシュの知る彼の姿はない。
 慣れた手つきでパネルを操作しもう一度最終チェックを施した後、ルルーシュはその部屋を後にした。この時間、機情のメンバーは誰もここにいない。いない、のではなく、枢木スザクが学校にいる時間帯を除き、機密情報局はまったく機能していないのだ。
 外していたコンタクトを装着し、中庭へ出る。入り口ですれ違った教師は機情のメンバーだったがルルーシュを見ても何の反応もせず、ただ早いなと生徒に対しての挨拶を寄越しただけだった。
(スザクが学園に来た形跡はない)
 気だるげに前髪をかきあげ、ルルーシュは生徒会室へと向かった。普段ルルーシュが起きる時間にはまだ少し時間がある。部屋へ戻ってもいいのだが、戻れば間違いなくロロがいる。
(俺は、いったい、)
 生徒会室のソファに転がり、目元を腕で覆う。
 昨夜与えられた触れるだけの口付けを思い出して、ルルーシュはきゅっと唇を結んだ。
(一体何を、やっているんだ)
 兄弟ごっこだと思っていた。この一年そうしてきたように、仲の良い兄と弟であればいいと思っていた。そのくらいいくらだって演じられる。そうやって利用できるだけ利用して、ナナリーを取り戻し彼の価値が失われた後には、情け容赦なく切り捨てるつもりだった。
 だが、それだけでは済まなくなっている。枢木スザクのせいで。
 彼が自分を抱き、それをロロに告げたせいで。
(何を考えている?)
 スザクは何故ロロにそんなことを言った。ルルーシュが監視の対象だからか。ロロが一番近くにいるからか。
 言っておくことで何が変わる? ロロの態度。言動。視線。スザクとの距離。
 わからせるためか。お前の兄は自分に身体を開いたのだと。ルルーシュは、ゼロは、お前のものではないと。
(だとしたら、逆効果だ)
 ルルーシュとロロの距離を遠ざけておきたかったのなら、スザクは失敗したことになる。それとも逆なのだろうか。ルルーシュに罪悪感を持たせるために。
「…………」
 す、と腕をどかす。太陽の明るい光ソファのすぐ脇まで届いていた。
 スザク。唇だけ動かして、彼を呼ぶ。口端を吊り上げ、ルルーシュは嗤った。
「俺はもう、お前の思う通りにはならない」
 そしてもう、諦めもしない。
 最優先はナナリーだが、その後でじっくりと攻略してやってもいい。
 スザクも、ロロも、両方とも。
(駒として)
 盤上でルルーシュを守り、そして散る駒として手に入れる。
(だから俺は、ロロを拒まない。それでいい)
 それ以外の感情などいらない。
 ロロに対しても、スザクに対しても。
 違う感情など、気付くことも知ることも認めない。
 スザク。もう一度、唇を開く。今度は微かに音を乗せて彼の名を呼ぶ。
(……、熱い)
 触れた箇所が。
 繋がった熱が、今もどこかに残っている。
 けれど。
『ルルーシュ』
 呼ぶ声の切なさも、優しい手のひらも、揺れる翡翠も、覚えている必要はない。
(そうだろう? だって俺たちは、)


 ―――今は、最悪の敵でしかないのだから。
 
 
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