忍者ブログ

sakura*blog PMstyle

咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。

2024'05.19.Sun
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2009'06.19.Fri
いつ書いたのかすらわからない、アスキラのバレンタイン話。サイトに未掲載だった気がしたのでとりあえずここに。どうやらアスランはキラにいろいろ拒まれているようです(笑)


拍手


------------

 いつだって大事なものはひとつだけで、それを守るために自分は最大限の努力をしてきた。
 そんな自分の想いを、彼が本当にわかっているのかはさておき。
「……どうしたの?」
 デスクに向かっていたキラが首を傾げ、アスランを見返る。
「別に?」
 微笑と共にそう返すと、キラは怪訝そうな表情で手に持っていたコーヒーをデスクに置いた。
「別にって顔じゃないんだけど」
「そうかな」
「……変なアスラン」
 近くにいすぎたせいで、色々なことを見落としている気がする。
「大丈夫? どこか具合悪い?」
 困ったようなアスランの笑みに、キラの眉がくもる。
 心配そうに覗き込んでくる瞳はきれいなアメジスト。
 それを縁取る睫毛。
 まぶた。
「アスラン?」
 焦点あってるー? と手をひらひらさせるキラの、手首の細さ。
 彼は前からこんなに細かっただろうか。
「ちょっとホントにどうし……っ、うわ!」
 その手首を捕まえて引き寄せる。ぎゅう、と抱きしめるとキラが硬直した。
「―――……やっぱり細い」
 背中から腰までをてのひらで撫で下ろして、その細さを確認する。
(どうしてこんなに)
「っ! アスランッ!」
 更にさわさわと撫でくり始めたアスランに、じたばたとキラが暴れだした。
 細いのに力はけっこう強い。そんなことを考えていると、耐え切れなくなったキラが、お返しとばかりにアスランの腰をつまんだ。
「いてっ」
「……っ、何なんだよもう!」
 解放されたキラが顔を赤くしていて――ふと、ああそうかと気づく。
 ずいぶん色気のない抱擁をしてしまったらしい。自分たちの関係を考えるとあまりにも。
「好きだよ、キラ」
「……っ」
 絶句したキラが更に真っ赤になった。何でこんなに反応が可愛いのだろう。
(そんな顔してると)
「襲いたくなる」
「え」
 今度は意図的にキラの身体を捕まえて、そのまま自分が座っていたソファに押し倒す。
「もう……いい?」
「え、え、うそ、でもっ……」
 キラが慌てて腕を振り回してくる。必死なその様子に、やっぱりまだだめかと諦めの気持ちで苦笑を浮かべ、冗談だよと呟いた。
 でも、あからさまにほっとした表情を見せるキラに、少し意地悪をしてやりたくなって。
 目の前の唇に、ちゅっと吸い付いてみた。
「……甘い」
 コーヒーじゃないのか、と眉をひそめると、キラがやはり真っ赤なままデスクを指差した。
 マグカップの横に、小さなチョコレートの包み。
 バカアスラン、とキラが小さな言葉を落とし、ぎゅうっと袖を掴んでくる。
 想いを伝え合ってから二度目のキスは、甘いチョコレートの味がした。
PR
Post your Comment
Name:
Title:
Mail:
URL:
Color:
Comment:
pass: emoji:Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
trackback
この記事のトラックバックURL:
[489] [488] [487] [486] [485] [484] [483] [482] [481] [480] [479
«  BackHOME : Next »
twitter
適当なことばかり呟いています。@歓迎。
SEARCH
RECOMMEND
タニタ食堂の金芽米

好きなので(笑)

sakura*blog PMstyle wrote all articles.
Powered by Ninja.blog * TemplateDesign by TMP  

忍者ブログ[PR]