2009'06.19.Fri
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いつだって大事なものはひとつだけで、それを守るために自分は最大限の努力をしてきた。
そんな自分の想いを、彼が本当にわかっているのかはさておき。
「……どうしたの?」
デスクに向かっていたキラが首を傾げ、アスランを見返る。
「別に?」
微笑と共にそう返すと、キラは怪訝そうな表情で手に持っていたコーヒーをデスクに置いた。
「別にって顔じゃないんだけど」
「そうかな」
「……変なアスラン」
近くにいすぎたせいで、色々なことを見落としている気がする。
「大丈夫? どこか具合悪い?」
困ったようなアスランの笑みに、キラの眉がくもる。
心配そうに覗き込んでくる瞳はきれいなアメジスト。
それを縁取る睫毛。
まぶた。
「アスラン?」
焦点あってるー? と手をひらひらさせるキラの、手首の細さ。
彼は前からこんなに細かっただろうか。
「ちょっとホントにどうし……っ、うわ!」
その手首を捕まえて引き寄せる。ぎゅう、と抱きしめるとキラが硬直した。
「―――……やっぱり細い」
背中から腰までをてのひらで撫で下ろして、その細さを確認する。
(どうしてこんなに)
「っ! アスランッ!」
更にさわさわと撫でくり始めたアスランに、じたばたとキラが暴れだした。
細いのに力はけっこう強い。そんなことを考えていると、耐え切れなくなったキラが、お返しとばかりにアスランの腰をつまんだ。
「いてっ」
「……っ、何なんだよもう!」
解放されたキラが顔を赤くしていて――ふと、ああそうかと気づく。
ずいぶん色気のない抱擁をしてしまったらしい。自分たちの関係を考えるとあまりにも。
「好きだよ、キラ」
「……っ」
絶句したキラが更に真っ赤になった。何でこんなに反応が可愛いのだろう。
(そんな顔してると)
「襲いたくなる」
「え」
今度は意図的にキラの身体を捕まえて、そのまま自分が座っていたソファに押し倒す。
「もう……いい?」
「え、え、うそ、でもっ……」
キラが慌てて腕を振り回してくる。必死なその様子に、やっぱりまだだめかと諦めの気持ちで苦笑を浮かべ、冗談だよと呟いた。
でも、あからさまにほっとした表情を見せるキラに、少し意地悪をしてやりたくなって。
目の前の唇に、ちゅっと吸い付いてみた。
「……甘い」
コーヒーじゃないのか、と眉をひそめると、キラがやはり真っ赤なままデスクを指差した。
マグカップの横に、小さなチョコレートの包み。
バカアスラン、とキラが小さな言葉を落とし、ぎゅうっと袖を掴んでくる。
想いを伝え合ってから二度目のキスは、甘いチョコレートの味がした。
いつだって大事なものはひとつだけで、それを守るために自分は最大限の努力をしてきた。
そんな自分の想いを、彼が本当にわかっているのかはさておき。
「……どうしたの?」
デスクに向かっていたキラが首を傾げ、アスランを見返る。
「別に?」
微笑と共にそう返すと、キラは怪訝そうな表情で手に持っていたコーヒーをデスクに置いた。
「別にって顔じゃないんだけど」
「そうかな」
「……変なアスラン」
近くにいすぎたせいで、色々なことを見落としている気がする。
「大丈夫? どこか具合悪い?」
困ったようなアスランの笑みに、キラの眉がくもる。
心配そうに覗き込んでくる瞳はきれいなアメジスト。
それを縁取る睫毛。
まぶた。
「アスラン?」
焦点あってるー? と手をひらひらさせるキラの、手首の細さ。
彼は前からこんなに細かっただろうか。
「ちょっとホントにどうし……っ、うわ!」
その手首を捕まえて引き寄せる。ぎゅう、と抱きしめるとキラが硬直した。
「―――……やっぱり細い」
背中から腰までをてのひらで撫で下ろして、その細さを確認する。
(どうしてこんなに)
「っ! アスランッ!」
更にさわさわと撫でくり始めたアスランに、じたばたとキラが暴れだした。
細いのに力はけっこう強い。そんなことを考えていると、耐え切れなくなったキラが、お返しとばかりにアスランの腰をつまんだ。
「いてっ」
「……っ、何なんだよもう!」
解放されたキラが顔を赤くしていて――ふと、ああそうかと気づく。
ずいぶん色気のない抱擁をしてしまったらしい。自分たちの関係を考えるとあまりにも。
「好きだよ、キラ」
「……っ」
絶句したキラが更に真っ赤になった。何でこんなに反応が可愛いのだろう。
(そんな顔してると)
「襲いたくなる」
「え」
今度は意図的にキラの身体を捕まえて、そのまま自分が座っていたソファに押し倒す。
「もう……いい?」
「え、え、うそ、でもっ……」
キラが慌てて腕を振り回してくる。必死なその様子に、やっぱりまだだめかと諦めの気持ちで苦笑を浮かべ、冗談だよと呟いた。
でも、あからさまにほっとした表情を見せるキラに、少し意地悪をしてやりたくなって。
目の前の唇に、ちゅっと吸い付いてみた。
「……甘い」
コーヒーじゃないのか、と眉をひそめると、キラがやはり真っ赤なままデスクを指差した。
マグカップの横に、小さなチョコレートの包み。
バカアスラン、とキラが小さな言葉を落とし、ぎゅうっと袖を掴んでくる。
想いを伝え合ってから二度目のキスは、甘いチョコレートの味がした。
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