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咲良の徒然気まま日記。 ゲームやらアニメやら漫画やらの感想考察などをつらつらと。 しばらくは、更新のお知らせなどもここで。

2024'05.18.Sat
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2007'09.12.Wed
 何もかも、と自分のシャツを掴んだ彼が、酷く頼りなく見えた。
 一瞬合った瞳はすぐに逸らされ顔は俯けられてしまったから、彼の表情はわからない。ただ、触れた部分から伝わる微かな震えが、今の心理状態を表している気がした。
 彼は滅多に弱音を吐かない。涙も見せない。なのに今は、こんな風に自分に縋っている。
 そっと手を身体に添えると、シャツを握る手に力がこもり、スザクの胸元に深い皺ができた。
「ルルーシュ」
 呼び掛けに応えるのは、やはり彼の手だけ。スザクを引き寄せる、その強さだけ。
(……ああ、拙いな)
 彼が自分に寄せる絶対の信頼が痛い。
 友達だから。幼馴染、という名があるから、彼はこうしてスザクを頼ってきているのに。
(友達、だったら……どうすればいい?)
 こんなとき、友達ならばどうするのだろう。
 スザクにはわからない。自分が思うようにしたら、それは友達として、の行動にはならないから。
「ルルーシュ……」
 もう一度、彼を呼ぶ。先程より優しく、先程より戸惑いを含み、そして先程よりずっと、友としての響きを消した声音で。
 返らぬ答えに僅かに安堵し、腕を背に回すと強く抱き締める。
「僕が」
 抵抗のない身体。雨に濡れた髪に唇を寄せ、スザクは目を閉じた。
「何もかも……忘れさせてあげるって言ったら、君はどうする?」

 答えを待つ時間は恐ろしいほど長かった。
 友達という関係を捨てきれないから、壊してしまうことは自分にはできないから、スザクは逃げ道を用意した。
 今ならまだ、彼の拒絶で元に戻れる。馬鹿だなと言って、大丈夫だとそう言って、そしてお前には甘えないとその手を放して。

 今なら。今だけ。
 けれど一歩でも進んだら、もう元には戻らない。

(……ごめん、ルルーシュ)

 自分は卑怯だ。
 戻るべき道を奪い、逃げ道を作る。

 ――残した逃げ道に、君はどうするだろう。






*-*-*-*-*

何となくの短文でした。
携帯からのアップだったので、ちょこっとだけ改訂。
この前後の話もあるので、そのうちアップできたらいいな~(遠い目)本編沿いではなくパラレルですが。
ていうか今、物凄く俺スザクが書きたい(笑)7年前からずーっと一緒に過ごしてたら、なスザルルが。エリア11となった日本、枢木の家を捨てたスザクと、ブリタニアの名を捨てたルルーシュ。いつかブリタニアから日本を取り戻し、ブリタニア皇帝を引き摺り下ろすことを誓い、共にアッシュフォードに身を寄せて…。みたいな(笑)
軍に入っていないしルルーシュとも離れてないから、スザクはあのまま「俺」で。でもきっと優しかったりフェミニストなのは俺スザクでも変わらない気がするな~。んでルルーシュに嫉妬されるといい。「何怒ってるんだよルルーシュ」「うるさい、ついてくるな!」「言わなきゃわからないだろ!」「お前には関係ない、はなせ馬鹿!」「(カチン)馬鹿はお前だ、いい加減にしろよ!」「っ、いいから戻れ!話、途中だったんじゃないのか」「話?…ああ、さっきの。いいよ別に。知らない子だし」「なっ…」「何だよ、戻って欲しいのか」「……」「だから、言わなきゃわからないって…(溜息)…ルルーシュ?」……。楽しい。すみません、ついつい(笑)
絵を描いてるから頭は種モードなんですけど、思いつく話はみんなスザルルなんですよねぇ。何故だ。昼間からスザルルえろネタを考えてる私は駄目人間です(でも後悔はしていない)(爆)

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2007'08.20.Mon

「……ルルーシュ、僕の頭叩くのクセになってるだろ」
 不意に、スザクがそう呟いた。
 隣で転がる彼を見つめ、そうか? と首を傾げる。
「無意識?」
「あぁ……いや……うん……?」
「結構痛いんだよ、あれ」
 そう言いながら、スザクの唇が首筋に落ちてくる。くすぐったくて身を捩ると、今度は全身でのしかかられた。
「こ、ら……っ、今日はもう……!」
「うん、わかってる」
「わかってないだろう!」
 腰を撫で脚を絡めてくるその行動は、どう考えてもわかってるようには思えない。過去の経験から言って、こういうじゃれ合いが一番その先に発展しやすいのだ。
 ルルーシュの肌に残した赤い痕をなぞるように、スザクは唇を寄せ小さなキスを繰り返している。その間にも触れ合った下肢が擦り合わされて。
(マズイだろ……ッ)
「……っ、スザク!」
 ボカ!
 気付けば、腹の上まで移動していた彼の頭を殴り付けていた。
「……痛い……」
「あ」
 反射、だ。完全に。
「やっぱりクセになってるよルルーシュ……」
「あー……、……みたいだな」
 恨めしそうに見上げるスザクの瞳は微かに潤んでいるようにも見える。
 ルルーシュは仕方なく手を伸ばすと、彼の頭を胸元まで引き上げ抱き締めた。
「おまえが、……」
 言いかけて、やめる。
 スザクのせいにしてしまうのは、何か違う気がしたので。
「……俺が、……そうしないと、耐えられないんだよ」
「何が」
「だから……抑制したいのに、流される、から。お前、言ってもきかないし」
 スザクが伏せていた顔をあげる。
「言われる前に叩かれてる気がするけど?」
 確かに今のは言葉より先に手が出ていたが。
(でも、それは、お前が、……)
「……」
「………」
「…………」
 じいーっと見つめてくる瞳に根負けする。
「……………悪かった」
 はあー、と息をつきながら頭を撫でてやると、スザクはクスクス笑いながらルルーシュの腰に抱きついてきた。まさか、と焦る。
「あ……おい!」
「何もしませんー。信用ないなあ僕」
「そういう台詞は日頃の行いを振り返ってから言え」
 スザクはんー、とかあー、とか言いながらぎゅうっとくっついてくるだけ。
(珍しい。甘えて……るのか?)
 仕方ないなと苦笑して、ルルーシュはもう一度彼の頭を撫でた。
 ――結局のところ、ルルーシュがスザクに甘いのが、一番問題なのかもしれない。 


*-*-*-*-*-*-*

私生活が切羽詰れば詰まるほどこういうSSSが書きたくなります。思いつくのがスザルルばっかりで申し訳ない; 種も書きたいなー…アスキラでギアスネタやりたいです。猫祭りとか男女逆転祭りとか(笑)

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2007'08.19.Sun
 あれ、甘いにおいがする。
 スザクがそう言って首を傾げた。
 昼休みの生徒会室だ。さっきまでルルーシュといたミレイは、スザクと入れ違いで放送室へと走って行った。今日はカレンとシャーリーが放送当番だったのだが、カレンは休みだったが大丈夫かと何気なく訊ねたら、彼女にしては珍しく慌てて。
「なんだお前、昼食べてないのか」
 言外に腹が減ってるんだろうと問えば、スザクはふるふると首を振る。
「食べたよ、ちゃんと。軍の食堂で食べてから来ました。じゃなくて、もっと、なんていうか……」
「あぁ、そういえばさっき会長がクッキー持ってきてたけど」
「うーん、そうじゃなくて……」
 しばらくきょろきょろと辺りを見回していたスザクの視線がルルーシュにとまった。
「ルルーシュじゃない?」
「はぁ?」
「だってそっちからする」
「俺は何も食べ物なんか持ってないぞ」
「食べ物じゃなくて」
 たぶんそうだって、と言いながらスザクが近づいてくる。
 椅子に座ったまま訝しげにスザクを見上げたルルーシュの顎に、彼の指がかかる。つい、と持ち上げられて。
「おい、スザク……」
「んー」
「んー、じゃない、おまえ……っ」
 触れる寸前まで近づけられた顔に、こんなところで何をする気だとルルーシュが身を引きかけた、そのとき。
「あ、やっぱりそうだった。ルルーシュ、唇、なにかつけた?」
「………………あ……」
 そういえば。
 さっき、ミレイが。
「会長に、無理矢理リップクリームをつけられた……、が、」
「あー、それだ。香りつきだったんだ」
 ルルーシュは思わず嘆息した。
 確かに、少し甘い果物の香りがしていたけれど……あの距離でわかるのか? 普通。
「お前は犬か? どんな嗅覚してるんだ」
「おいしそうな匂いだったからね」
 にこりと微笑って、スザクがもう一度ルルーシュの顎をに指をかけ上向かせた。
 何かを考える隙もなく、ちゅ、と唇を吸われる。
「~~~ッ!?」
「ん、甘い」
「あっ……甘いわけあるか! 馬鹿が!」
 咄嗟に周りに視線を走らせたルルーシュにスザクが更に顔を近づけてくる。
 いい加減にしろ、と押しのけようとしたら、今度は耳元で。
「だってさ」
 拗ねるように。
「会長さんのリップってことは間接キスじゃないか。ちょっと……、嫉妬」
 スザクは低い声でそう告げて、すっと距離をとる。
 嫉妬?
 一連の行動を理解して、思わず頬が緩んでしまった。
 馬鹿だな、と呟いたら、背を向けたままのスザクからはどうせ馬鹿ですよと返ってきた。
 拗ねてる背中がおかしくて、……と同時に愛しくて。
 テーブルについた彼の手に触れて、そっと握りしめる。
「もっと妬けよ。俺は嬉しいから」
「…………」
「俺の、何もかも奪いたくなるくらい、嫉妬しろ」
「君ねえ……」
 はあー、とスザクが息をついて、ちらりと後ろに視線を流すと困ったような顔をした。
「嫉妬なんて、醜いよ」
「ふうん」
「きっと、君をめちゃくちゃにしたくなる」
「へえ」
「泣いて嫌だって言ってもやめてあげないくらい、ひどいことする」
「いいさ、それでも」
 スザクが複雑そうに振り向いた。
「……冗談だと思ってるだろ」
「いや?」
 ルルーシュは目を細める。
「それが本当のお前だろ。もっと見せろよ、俺に」
 一瞬、スザクが動きを止めた。表情も僅かに凍り付いたように見える。
 けれど、すぐにいつものように……スザクは肩を竦め表情を改めてしまう。
 一瞬見せたあの表情は彼の『素』だ。本当はもっと――目の前の彼の、素を引き出してやりたいのに。
「だからって、変に挑発するのはナシ。ルルーシュは無防備だから本気で心配だ」
 けれどなかなか上手くはいかない。でも、もしかしたら、そのきっかけはつかめたのかもしれない。
 ニヤリと口端を上げて笑むと、ルルーシュは指先で己の唇をなぞった。
「無防備なつもりはないんだけどな」
 本人に自覚があったらそれは無防備とは言わないんだよ、とスザクは笑って、ルルーシュの前の席に戻った。


*-*-*-*-*-*

何が書きたかったかは不明。ただなんとなく散文が書きたかった。

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2007'07.01.Sun
(……馬鹿だな)
 息が苦しくても、酸素不足で目の前が霞んできても、自分を見下ろすスザクの瞳はよく見えた。
 首に回された指の力はそれほど強くない。だがさすが軍人、力を入れずとも呼気を絶つ方法を良くわかっている。
 息を吸ってもほんの僅かなものしか取り込めない。言葉を発したくても吐き出す息がない。
(スザク)
 ルルーシュを責める言葉を叫ぶ彼の表情は、今まで見たことのないほど怒気に満ちていた。
(お前は、ほんとうに、馬鹿だな)
 許さない、生きて贖え、楽になろうだなんて傲慢だ、と。
 吐き出す言葉は、きっと彼を、彼自身を追い詰めている。
(馬鹿だ)
 ルルーシュも、スザクも。
 罪を重ね、血に塗れ、大切な相手を欺いてまで。そうして築いたものはすべて壊れ、もう目の前の互いしか残っていない。
 白兜――ランスロットと呼ばれるあの機体を自爆させ、軍の命に背いた彼は、きっともう戻れないだろう。
 そして自分も、黒の騎士団も大事な光も失った今、戻るところなどどこにもない。
(あたたかい)
 未だ何かを叫んでいるスザクの瞳から、あたたかい水が落ちてくる。怒りに眉を吊り上げ、目を大きく見開いて。瞬きもしない、その、翡翠から。
 手を伸ばし、彼の頬に触れる。真下に落ちてくる水滴を拭うことはできなかったが、体温を分け与えることはできた。遠い昔、二人の光が、教えてくれた涙に効く魔法。
「……ルルーシュ……ッ」
 スザクの顔が歪む。素顔を知っても、頑なにゼロと呼び続けていたくせに。微かに笑みを浮かべ、唇の動きだけでスザク、と彼を呼んだ。
 だが、もう、腕を持ち上げている力がない。ぱたり、と地に落ちた腕。そのまま意識が沈むかと思われたそのとき、喉がひゅっと鳴り、肺が急に働き始めた。止められていたそのときよりも苦しい。胸が痛い。咳き込みあまりの苦しさに転がりそうになった身体は、まだ彼の体温に触れていた。
(ああ)
 捕まって、捕まえられているのはどちらだろう。
「………ッ」
 ―――いつの間にか降り始めた雨が、雷を伴いすべての音を掻き消した。







というわけで妄想劇場ルルーシュ版。
あー、原稿に躓いているので、こういう短い話を書くと気分転換になります。

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2007'06.30.Sat
「……ッ、死ぬなんて許さない!」
「矛盾……してやしないか……、っ」
「この手を解いたらまた逃げるんだろう。そして今度こそ僕の前からいなくなる。君は……っ」
「……っ」
「君の存在すらなかったかのように、すべて捨てて!それで満足するんだろう!けど、僕は!」
「スザ……ッ」
「どんなに、ゼロが許せなくても、殺したいほど憎くても、ルルーシュ・ランペルージの存在まで否定しない!」
「な……」
「俺は許さない。死んで償える罪じゃない。生きて贖え、―――俺と!」
「っ……、……」
「一生、許してなんかやらない。俺に生きろと命じておいて、勝手に死ぬなんてこと」


……っと中途半端ですがタイムリミット。
スザクさん、ゼロの上に乗っかって首絞めてます(うわ)
黒の騎士団はほぼ壊滅。ルルーシュにはもう後がなくあとは捕まるか死かの二択。
そんな状態でこんなやりとりどうですか、と(笑)
ていうか最後にはしゃべれなくなってるゼロさん、気絶寸前(爆)


あー、書きたいなー。
ここ数日原稿らしい原稿ができてないのでいろいろ欲求不満。





微私信。
水村さんへ。種映画はあんな噂もあるんだけどどうなのかなあ。2008年って…干からびるぜちくしょうめ(笑)
エミさんへ。イズミ、最後の3行だけ読んでしまった…(馬鹿)そして最初から読み始めたんだけど、やっぱり文が…変わったなぁ…(しみじみ)

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2007'06.20.Wed

※スザク視点SSS、23話その後。暗いです。注意。
それでもOK、という方のみ以下からどうぞ。




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